本製品は、立体写真を作製するためのホログラム記録装置です。これは物体の微小振動や形状変化、形、文字などの即時認識に利用することができます。この装置は、暗室や除振台などの設備が不要で、その場で現像が可能なホログラム作成装置です。また本製品は、当社が平成19年度茨城県新分野開拓商品事業者として認定された対象の製品です。
参考:J-STORE(JST Science Technology Research Result Database for Enterprise Development) は、科学技術振興機構(JST)が大学・国公立試験研究機関から収集した研究成果やJSTの基礎的研究等の研究成果をインターネットを通じて広く一般に提供する無料のデータベースです。研究成果を企業へ技術移転し、実用化を促進することを目指しています。
従来のガラス基板などにハロゲン化銀写真感光材料を塗布した写真乾板を用いたホログラム作製方法は、レーザ光照射された対象物からの反射光または透過光と参照光とを写真乾板上に照射・露光し、その後現像するものです。この方法においては、感度は大きいが、最大回折効率が小さく、また露光後, 写真乾板を取り外して暗室で現像作業をすることが必要でした。さらに現像のために写真乾板を一旦取り外すと、ホログラムを正確に元の位置に戻すことが困難でした。
また、熱可塑性樹脂乾板を用いるホログラム記録方法は、高周波加熱により軟化させて干渉縞を記録するものですが、熱可塑性樹脂の最適加熱制御が難しく、繰り返し使用による樹脂層の劣化などの問題があります。また熱可塑性樹脂を熱溶融させるために大きな高周波加熱装置が必要で, 装置を小型化することが困難で、ホログラムの性能に影響を及ぼす熱歪の問題を避けることができないという欠点もあります。
本製品は、こうした従来装置の欠点を改善したホログラム簡便迅速自動現像装置です。取り扱いが容易で、小型化および自動化が可能なホログラム記録装置であり、光導電プラスチックに溶剤蒸気を作用させ、外部から高電圧をかけながら露光するとホログラム乾板上にその場で現像ができます。サーモプラスチックホログラムのように熱歪がなく、写真乾板のように暗室を使う必要がなく、準備時間、露光時間も含めて、極めて迅速に現像ができます。さらにホログラム乾板をセットした状態でホログラムの記録と再生を行うことができるという特長があります。また、このホログラム自動現像装置とホログラフィ光学系を1本の光学ベース上に組込んでおり、特別に防振光学定盤を必要としないホログラム簡便自動作製システムを提供できます。
中学・高校・大学での教材として、立体画像の自動作製が可能です。(理科離れ対策教材)また、振動モードの画像解析装置、複数の物体形状・文字列の並列識別、瞬時並列画像識別用光アナログコンピュータとしての利用や、自動車ナンバープレートの同時瞬時識別や実装基板の多種同時外観検査などにも利用可能です。